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画集発刊『知恩院 祈りの美』

知恩院  祈りの美 Chion-in ~Sacred Belief in Pure Land』
創教出版 (1,200円+税)ご購入はコチラから

ちいさな画集である『知恩院 祈りの美』著者へのインタビュー企画。知恩院の美を描くきっかけは、本に収録されていますが、今回は、中田文花(もんか)さんの伝統文化に対する思いを伺いました。

中田文花さん(公式ホームページはコチラ
日本画家 造形作家。1967年大阪生まれ。学生時代は国文学専攻。院展出品を経て、東大寺お水取り、薬師寺花会式、四天王寺聖霊会、春日若宮おん祭を好んで描いている。趣味は短歌、舞楽。個展、講演、書籍の挿絵等多数。浄土宗の檀信徒に生まれるも縁あって東大寺で得度、華厳宗尼僧となる。

全ては御縁によるもの

―もともと知恩院の機関誌『知恩』『華頂』で、挿絵を担当されていた中田文花さん。画集発刊のきっかけは、そのおたよりのコーナーでの読者のこえだという。

連載が終わるということが決まったあと、読者からぜひ1冊にまとめた画集にしてほしいというお声をいただき、その時の私の背中を押してくれました。

しかし「画集にまとめ、さらに原画展を開こう」と決意してからは、どのように出版社を見つけてよいかもわからず、はじめての連続で、とにかく忙しかったことを覚えています。そして、御縁のあった方々の助けがあり、最終的に、浄土宗のお寺として知っていました大蓮寺の中にある創教出版さんをご紹介いただきました。仏教文化の美しさを表現した本を出版するには、ぴったりのところだと思いました。私のアトリエからも近く、担当の方と対面で打合せができる距離も魅力的でした。

―中田さんの「足を運ぶ」ことへの思いは伝統文化に対する姿勢に通じる。30年以上通い続けている伝統行事も。

自ら何年も何年も足を運び、好んで伝統文化を描いています。決まりごとの世界ですから創作や想像で勝手なことは描けません。また愛情をもって見つめていたら、表現したい場面に出会えます。特に今回の本で描いた知恩院さんは広く、題材には困らないところでした。ほんとうに周りがあきれるほど、伝統文化に愛情を注いできましたし、これからもそうしていきたいと思います。

―今回のインタビュー前に、学生時代につくられた万葉かるたを見せていただきました。日本画に詳しかったある先生との出会いも自身の現在の活動につながっているのかもしれないと懐かしみ、振り返る中田さん。文字も絵も中田さんによる手描きで、衣装も時代に合わせて全て調べて描かれたという。愛情たっぷりの貴重なかるたお写真参照

たとえば、30年以上通っている東大寺のお水取りでは、様々なことを学んできました。そのインプットしたものを、どうにかアウトプットしていきたいと考えております。

伝統、仏教、作法の美しさに魅せられたひとりとして、これからもつくり、描くことで、その感動、懐かしさを、次の世代に『伝えていきたい』と思います。日本画家、造形作家でもありますが、現在は漫画でも表現する機会も出てまいりました。ぜひ、様々な表現を通して、これからもみなさんに日本の伝統文化の美しさを布教してまいりたいと思います。

本の紹介
中田文花さんが、愛情をもって描かれた、四季折々の知恩院の祈りの美が凝縮された1冊。1ページめくるごとに広がる知恩院の美しさが、読者を、その情景の中にいるような不思議な感覚に誘う。静けさの中にある厳かな儀式の数々は必見。散策ブックとしておまいりのお供にもおススメです。

知恩院  祈りの美 Chion-in ~Sacred Belief in Pure Land』
創教出版 (1,200円+税)ご購入はコチラから